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私たちが行っている研究、教育、臨床をご紹介します

研究

【癌の早期診断の研究】 

消化器癌の早期診断のための解析技術として、新規メチル化解析法を開発しました(図1-2)。この技術は簡便、低コストで、超高感度のメチル化定量解析を可能とするものです。この技術を使って、がんの予防や早期発見に役立つ検査の研究開発を行っています。たとえば、循環血液中のメチル化遺伝子の量を調べることで(リキッドバイオプシー)、肝癌、膵癌、胃癌、大腸癌の早期診断が可能であることを発見しました(図3)。また、便潜血検査と便中のメチル化遺伝子検査を組み合わせることで、便潜血検査単独に比べて、大腸前癌病変の検出性能が大幅に向上することを発見しました。

図1 新規に開発した高感度メチル化解析法の概要

 

 

 

 

​図2 メチル化解析法の比較

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図3 高感度メチル化解析技術によるがん早期診断

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

​【腸内細菌の研究】

腸内細菌と大腸腫瘍の研究も行っています。これまでに腸内細菌のフソバクテリウム・ヌクレアタムが大腸前癌病変の検出に有用であることを世界に先駆けて報告しています。また、ステージ4大腸癌の生命予後も本菌が関与することを報告しています(図4)。

​図4 フソバクテリウム・ヌクレアタム量と患者さんの生命予後の関係

 

 

 

今後も、がんの予防、早期発見、患者さんの生命予後改善に役立つ研究を行い、ぜひ実用化を果たしていきたいと考えています。

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教育

【講義・テュートリアル】医学科において下記講義、テュートリアルを行っています。

  • 臨床検査学

  • 臨床腫瘍学

  • 遺伝子病態学

  • 医療倫理

 

【臨床実習】

検査部、感染制御部、輸血部、遺伝・ゲノム診療部と共同で下記実習を行っています(隔週、5日/週)

  •  腹部超音波検査

  •  生理機能検査

  •  血液検査

  •  一般検査

  •  微生物検査

  •  遺伝子検査

  •  輸血検査

  •  生化学検査

  •  採血

  •  ​感染対策

  •  がんゲノム検査

  • ​症例発表

 

​​【自己開発コース】

山口大学医学部医学科のユニークなカリキュラムとして、自己開発コースというものがあります。これは医学科3年生全員が学内外の研究室に配属され、半年間研究を行い、論文作成するものです。当講座に配属された学生達が2年間連続して優秀賞を受賞しています。学生時代の研究や論文作成の経験が、将来きっと役に立つことを願っています。

診療

【遺伝カウンセリング】※

遺伝カウンセリングでは、遺伝病のことや、遺伝子検査を受けることのメリットやデメリットなどを私たちはクライエント(患者さんやご家族)に丁寧に説明し、十分に理解していただきます。クライエントに気持ちを整理していただいた上で、今後どのような生活をしていくのかや、遺伝子検査を行うかどうかなどを自らの意思で選択していただきます。医師、看護師、臨床検査技師など多職種からなるチームでこの意思決定のサポートを行っています。

​ 

【がんゲノム医療】※

がんゲノム医療とはがん細胞の遺伝子を調べて、どの遺伝子に変化が起こっているのかを知り、どの治療薬が適しているのかを調べるものです。この治療薬情報を主治医や患者さんに一刻でも早く御提供出来るよう、病院内のがんゲノム医療体制を構築し、運用しています。

 また、上記がんゲノム医療における遺伝子検査の結果により、遺伝性腫瘍であることが判明することもあります。その場合には、上記遺伝カウンセリングにスムーズにつなげる役目も担っています。

​※遺伝・ゲノム診療部と共同で実施しています。

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