原著論文「Methylated SEPT9 assay-based liquid biopsy as a biomarker in molecular targeted agent-treated hepatocellular carcinoma」をHepatology Internationalに消化器内科学講座の佐伯一成講師(共著者:末廣寛准教授、責任・最終著者:山﨑隆弘教授)
が報告しました(2023/4/25)。
【研究概要】
山口大学、大阪公立大学、三重大学との多施設共同研究です。分子標的薬(ソラフェニブ/レンバチニブ)を受けた肝癌患者の予後予測因子として、講座で開発した定量化可能な高感度メチル化SEPT9解析法(m-SEPT9法)によるリキッドバイオプシー検査が有用であることを世界で初めて報告しました。
以前(※)m-SEPT9法が、肝癌診断に有用であることを報告しています[カットオフ値115コピー/mL(以前の報告での4.6コピー/wellを1mLあたりに換算)で、肝癌診断能は感度63.2%、特異度90.0%]。
今回、肝癌分子標的薬に対するm-SEPT9の予後予測バイオマーカーとしての意義について検討しました。山口大学症例と他大学症例をそれぞれ、トレーニングコホートとバリデーションコホートに分けて解析しました。肝癌診断で設定した約2倍のカットオフ値(205コピー/mL)と設定し、両コホートでm-SEPT9 ≥205コピー/mL以上が予後不良であることを明らかにしました(図)。
※Kotoh Y, Suehiro Y, Saeki I, et al. Novel liquid biopsy test based on a sensitive methylated SEPT9 assay for diagnosing hepatocellular carcinoma. Hepatol Commun. 2020;4:461–470.