石黒助教の論文がJ. Clin. Med. 2023, 12(18), 5864に掲載されました。
論文名:Determination of the Optimal Wavelength of the Hemolysis Index Measurement
【研究概要】
多くの生化学自動分析装置では、溶血の程度を定量的に評価する溶血指数(HI)が測定できる。他の臨床検査項目と同様に、HIの標準化は重要であるが、HIの測定方法やカットオフ値、精度管理方法などの標準化は進んでいない。また、HIに関する過去の研究のほとんどは、人口的に作成された疑似的な溶血を用いたin vitroでの研究であり、それらの研究結果が実臨床に応用可能か検証する必要がある。我々は過去に、HI標準化の重要な議題の1つである測定波長についてin vitroでの研究を行い、至適測定波長は571nmであることを報告した(Clinica Chimica Acta 510 (2020) 15-20.)。本研究では、臨床サンプルを用いて、HI測定の至適波長が571nmであるかを検証した。その結果、測定波長571nmにおけるHI測定は、高ビリルビン検体や、乳び検体の影響を受けにくく、溶血によるLDH、AST、Kの変化をよく反映し、過去に報告されたin vitro研究とも同等の結果であった。本研究により、過去のin vitro研究結果の妥当性を確認し、臨床検体においてもHI測定の至適波長は571nmであることを明らかにした。