2023年4月29日の朝日新聞山口版に、「肝がん~現状の課題と治療法の進歩~」というタイトルで、山﨑隆弘教授の記事が掲載されました(2023年3月30日にエフエム山口のメディカルやまぐちで放送された内容です)。
【概要】
最近、ウイルスを原因としない肝がんが増えています。
1991年10%程度→2015年32%と急増(本邦のデータ)。最近の山口県では約60%
非ウイルス性肝がんの原因としてウイルス性以外の肝硬変であること、男性、加齢、アルコール、タバコ、肥満、糖尿病、などがあります。アルコール、タバコ、肥満はそれぞれセルフコントロールすることができるリスク因子です。肝がんになりたくなければ、自己節制をして下さい。
健診で肝臓の異常を指摘されても治療せずに放っておくのは得策ではありません。健診の肝機能異常で一番多いのは、脂肪肝です。脂肪肝でも非アルコール性脂肪肝炎といわれる病気は、進行すると肝硬変になったり、肝がんが出来たりします。健診で肝機能障害を指摘された場合は、とにかく肝臓専門医を受診し、検査を受けてください。
肝がんの治療法は進歩しています。とくに、最近めざましい進歩を遂げているのは、進行肝がんに用いられることが多い薬物療法の分野です。
最後に、肝がん治療の基本は、早期に発見し、肝機能を低下させることなく根治治療を行うことです。現時点では肝がんに完治ということはないため、一旦発症したら、根治後でも肝機能を低下させることなく、長く向き合っていくことが必要です。ご自身でできる健康管理をしてください。
今年(2023年) 7月30日(日曜日)午後2時から、日本肝臓学会主催の市民公開講座を宇部ANAクラウンプラザホテルで開催いたします。「知っちょる?肝臓のはなし」というテーマで、肝がんの話を含め、肝臓のエキスパートがわかりやすく講演します。皆様のご参加お待ちしております(無料)。 近日中には、臨床検査・腫瘍学講座、消化器内科学講座、山口大学附属病院肝疾患センター等のホームページでポスターを含め詳細の内容について公開いたします。