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寛 末廣

石黒助教が日本臨床検査医学会優秀論文賞を受賞しました

更新日:2023年10月16日

論文名:卵巣腫瘍および子宮内膜症におけるCA125、HE4、ROMAの有用性

雑誌名:日本臨床検査医学会誌 70巻5号

【研究概要】

CA125は最も広く使用されている卵巣腫瘍マーカーであるが、偽陽性が多く、診断能は不十分である。ヒト精巣上体蛋白4(HE4) とRisk of Ovarian Malignancy Algorithm(ROMA) が2017年から保険適用となり、新たな卵巣腫瘍マーカーとして注目されているが、日本人女性においてHE4とROMAを評価した報告は少ない。そこで、日本人女性の卵巣腫瘍およびその他の疾患患者におけるCA125、HE4、ROMAの診断能を評価した。152名の卵巣疾患および65名の対照女性において、HE4およびCA125を測定した。CA125は子宮内膜症と悪性腫瘍群で有意に高値であり、HE4とROMAは、悪性腫瘍群で有意に高値であった。良性腫瘍・子宮内膜症と悪性腫瘍の鑑別における特異度は、HE4が最も高かった(94.0%)。閉経前子宮内膜症群の63%の症例において、CA125高値、HE4低値であった。これらの結果から、HE4測定が悪性腫瘍の確認に有用であること、またCA125とHE4の同時測定が子宮内膜症の鑑別診断に役立つことが示唆された。

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