論文掲載のお知らせ
- 寛 末廣
- 5月5日
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更新日:5月5日
肝細胞がんの新しい診断マーカーに関する研究が論文掲載されました

当講座では、肝細胞がんを早期に発見するための新しい血液検査指標「糖化フェリチン比」の有用性を明らかにし、その研究成果が国際学術誌に掲載されました。
研究の背景
肝細胞がんは、日本でも多くの方が罹患する重篤ながんの一つです。近年、ウイルス性肝炎以外を原因とする肝細胞がん(脂肪肝やアルコール性肝障害などに関連)が増加していますが、従来から使われてきた血液検査の腫瘍マーカー(AFP・PIVKA-II)では、検出感度が低いことが課題となっていました。
研究の内容
本研究では、血液中のタンパク質の一種である「フェリチン」に注目しました。フェリチンには糖鎖(糖の鎖)が結合したもの(糖化フェリチン)と、そうでないものがあり、全フェリチンに占める糖化フェリチンの割合を「糖化フェリチン比」と呼びます。肝細胞がんの患者さんでは血液中の糖化フェリチン比が低下し、がんの診断に有用であることを発見しました。
さらに、糖化フェリチン比、現在用いられている腫瘍マーカー(AFP・PIVKA-II)、年齢、性別を組み合わせた新規指標「GFADインデックス」を開発し、診断精度(AUC)が0.92〜0.94という非常に高い値を示しました。特に重要な点として、がんの原因の種類に関わらず、早期の肝細胞がんにおいても約7割の高い感度で検出できることが確認されました。
研究の意義
GFADインデックスを活用することで、従来のマーカーでは見つけにくかった早期の肝細胞がんをより正確に診断できる可能性があります。肝細胞がんは早期発見・早期治療が予後の改善につながるため、本研究の成果は患者さんの生命予後向上に貢献することが期待されます。
【発表論文の情報】
論文名:A Novel Diagnostic Approach for Hepatocellular Carcinoma Using Glycosylated Ferritin
著者:石黒旭代、末廣寛、佐伯一成、江種真穂、田邉規和、松本俊彦、石川剛、國宗勇希、小林利彦、西岡光昭、高見太郎、山﨑隆弘
掲載誌:Hepatology Research
掲載日:2026年4月30日
(石黒 旭代)